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一口法話


道元禅師の体験

投稿日:2008年08月26日

本年10月に20名の檀信徒と共に、中国天童寺・普陀山参拝旅行が実施されます。
曹洞宗開祖道元禅師750回遠忌記念として、大雄寺独自の初めての海外交流の企画であります。
幸い昨年、東皐心越禅師足跡巡拝の旅(一口法話41話掲載)で知り合いました、中国在住殷先生のご案内がいただけることで道元禅師修行の道場「天童寺」や道元禅師の師の如浄禅師のお墓がある「浄慈寺」、観音菩薩の霊場「普陀山」そして、銭塘江の大逆流の見学などを主な行程とした4泊5日の旅です。
道元禅師ゆかりの地、天童寺参拝については、禅語で良く知られる「他は是れ吾にあらず」を思い浮かべることができます。この禅語を解説し、道元禅師の体験に思いをはせ参拝したい。

曹洞宗開祖道元禅師は、24歳の時中国に留学、天童寺で4年間の修行を修めました。
天童寺での修行生活で衝撃的なできごとがありました。

ある夏の暑い日に、老僧が腰を弓のように曲げて石畳の上にキノコを干している光景を見て、若き道元は、老僧に年齢を尋ねると、68歳だと。
「そんなお年なら、 だれかに手伝わせたらどうですか」と言われました。
老僧の答えは「他は是れ吾にあらず」。
意味は、<自分の修行はどこまでも自分の修行だ。だから他人にこの仕事を任せたのでは他人の修行になっても自分の修行にはならない。自分の修行は自分でやることだ。>
尚も尋ねる。
「こんな暑い日中にやらないで、 もう少し涼しくなってからなさったらどうでしょうか」と。
すると老僧はすかさず、
「更に何れの時をか待たん」と答えました。
今やっているこの仕事は今の仕事だと。その今の仕事を明日やればいいと延ばすことはできない。明日やればいい、明日できなければあさってやればいいと。
ところがこの老僧は、<人間はいつ死ぬか分からない。明日死ぬか分からない。だから仕事を延ばすということはできない。今の仕事は今やらなければいけない>と答えたのです。
道元禅師はハッと気付かれました。修行というのはいったい何か。人間というのはいつどうなるか分からないものだ。だから今生きているときには今の仕事をしっかりやっておくことだと。

「他は是れ吾にあらず」
「更に何れの時をか待たん」

この意味するところを自分のこととし、一日を大切に生きることです。

大雄寺住職 倉澤良裕 記す


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